1658年(万治元年)創業、滋賀県で最も歴史ある酒蔵の一つ。琵琶湖の水運で栄えた大津において360年以上の伝統を誇る。現在は17代目八兵衛が当主を務め、18代目として娘の寛子さんが修行中。大津旧市街に唯一残る酒蔵として、アーケード商店街の一角で伝統的な手造り酒の製造を続ける。代表銘柄「浅茅生」は1677年に後水尾天皇の皇子である道寛親王から賜った由緒ある名前。
万治元年(1658年)の創業以来、360年以上にわたり大津の地で酒造りを続けてきた。江戸時代には琵琶湖の水運で栄えた大津は「大津酒」として有名で、明治時代には77軒もの酒蔵が存在したが、現在は平井商店が大津旧市街唯一の酒蔵として伝統を継承している。銘柄名「浅茅生」は延宝5年(1677年)に後水尾天皇の皇子道寛親王から「浅茅生の 茂き野中の 真清水は いく千代ふとも 汲みは尽きせじ」という和歌に基づいて命名された。現在の17代目八兵衛は海外勤務経験を持つサラリーマンから転身し、杜氏として修行を積んで家業を継いだ。
大津市中央のアーケード商店街という珍しい立地にある酒蔵で、店舗の奥で実際に酒造りが行われている。伝統的な手造りの製造工程を見学することができ、特に都市部では珍しい酒蔵の雰囲気を体感できる。季節限定の商品や蔵元限定酒なども取り扱っており、琵琶湖観光と合わせて楽しめる立地にある。
長年にわたり滋賀県の地酒として親しまれ、特に「浅茅生」は皇室ゆかりの銘柄として高い格式を誇る。現在も手造りにこだわった丁寧な酒造りが評価され、地元を中心に根強いファンを持つ。夏季限定のにごり酒「湖雪(フーシェ)」や季節限定商品「鶺鴒鳴(せきれいなく)」など、革新的な商品開発も行っている。
滋賀県大津市中央1-2-33