「ホッとやすらぐ日本酒」をモットーに掲げる広島県呉市音戸町の酒蔵。明治32年(1899年)創業。日本で初めて貴醸酒(きじょうしゅ)を醸造した蔵元として知られ、代表銘柄「華鳩」と「清盛」を製造。貴醸酒は仕込みの最終段階で水の代わりに日本酒を使用する独特の製法で、琥珀色で濃厚な甘みが特徴。IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で熟成酒部門のゴールドメダルを多数受賞。
榎酒造は明治32年(1899年)、平清盛ゆかりの地として知られる広島県呉市音戸町で創業。倉橋島に位置し、音戸の瀬戸を臨む歴史ある酒蔵である。昭和49年(1974年)、日本で初めて貴醸酒の製造に成功し、日本酒業界に新たな可能性を示した。貴醸酒は古代の製法を現代に蘇らせたもので、仕込みの最終段階で水の代わりに日本酒を使用することで、独特の甘みと深い味わいを生み出す。平成の時代には全国新酒鑑評会で16回もの金賞を受賞し、2008年以降はIWCで熟成貴醸酒が連続してゴールドメダルを獲得。現在は4代目が伝統を守りながら、シェリー樽やバーボン樽での熟成など革新的な取り組みも行い、世界に通用する日本酒造りを目指している。地元広島県産の酒米にこだわり、「華鳩」の名は地名「鳩岡」と日本語の手習い歌「いろは」に由来する。
毎年春に開催される「蔵開き」は多くの日本酒ファンが訪れる人気イベントです。本格的なきき酒を始め、音戸のまちかど舟唄教室、地元アーティストの作品展示、蔵カフェ、マルシェ、キッチンカーなど、酒造りだけでなく地域文化を体感できる総合的なお祭りです。平日は混雑が少なく、特典もあり、より落ち着いて貴醸酒の魅力を味わうことができます。
全国新酒鑑評会で16回の金賞受賞を誇る名門蔵です。令和6酒造年度全国新酒鑑評会でも「华鸩斗瓶取り山田錦大吟醸」が入賞し、伝統と技術の結晶である高品質な日本酒づくりを続けています。特に日本初の貴醸酒製造蔵としてのIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)での連続ゴールドメダル獲得は世界からの評価の証です。貴醸酒という独特な製法のパイオニアとして、日本酒の可能性を広げた革新的な蔵元でもあります。
〒737-1205 広島県呉市音戸町南隠渡2-1-15