1877年(明治10年)創業の奈良県天理市に位置する酒蔵。天理教の御神酒として酒造りを開始し、以来地元の米、水、人を使った究極の地酒造りを追求している。代表銘柄「黒松稲天」は、伝統的な製法と現代的な技術を融合させた酒造りで高い評価を得ている。1970年からは酒粕を使った奈良漬の製造も開始し、日本酒と合わせて地域の特産品として亲しまれている。「作り手、売り手、飲み手が一本の糸でつながる酒造り」を大切にし、地域との結びつきを重視した経営を行っている。
稲田酒造合名会社は明治10年(1877年)に天理市で創業された歴史ある酒蔵である。天理教の御神酒として酒造りを開始したという特別な経緯を持ち、以来140年以上にわたり地域に根ざした酒造りを続けている。代表的な銘柄「黒松稲天」は、奈良の地で培われた伝統的な技法と現代の醸造技術を融合させて造られる。地元の米、水、人を大切にし、「作り手、売り手、飲み手が一本の糸でつながる酒造り」を信条としている。1970年からは酒粕を活用した奈良漬の製造も開始し、日本酒文化の多面的な発展に貢献。淡麗辛口で女性にも飲みやすい味わいを追求し、2019年全国新酒鑑評会金賞、2020年ワイングラスでおいしい日本酒アワード金賞など数々の受賞を重ねている。天理という宗教都市の中で、御神酒としての神聖さと地域密着の親しみやすさを両立させた独特の酒造りを展開している。
稲田酒造では天理市三島町の本社で日本酒と奈良漬の販売を行っており、9時00分から17時00分まで営業している。天理教の本部がある天理市という立地を活かし、御神酒としての歴史と伝統を感じることができる。また酒粕を使った奈良漬の製造も手がけており、日本酒と合わせて試食・購入することが可能。地域密着型の酒蔵として、地元の人々との交流を大切にした運営を行っている。
稲田酒造の「黒松稲天」は、近年特に国内の権威あるコンテストで高い評価を得ている。2019年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞し、日本酒の品質の高さを証明した。同年には全国燗酒コンテストでも金賞を受賞し、冷酒だけでなく燗酒としての美味しさも認められた。2020年にはワイングラスでおいしい日本酒アワードで金賞を受賞し、現代的な飲み方にも適した酒質であることが評価されている。これらの受賞は、伝統的な製法を守りながらも現代の多様な日本酒文化に対応できる品質の高さを示しており、天理教の御神酒として始まった酒造りが、今や広く一般の酒愛好家からも支持されていることを物語っている。
〒632-0015 奈良県天理市三島町379