1868年(明治元年)創業、2018年に創業150周年を迎えた奈良市の酒蔵。明治時代の初期に酒類卸売業として初代豊澤儀助が創業し、後に灘、伏見、奈良の各地で酒造りを展開した。昭和初期に現在地に移転。代表銘柄「豊祝」は『稲実り国も豊かな祝い酒』という詩から命名された。創業者の名前を冠した「儀助」ブランドも展開。現在でも手造りに徹した丁寧な酒造りを行い、全生産量の80%以上を純米酒以上の特定名称酒で占める。立ち飲み処「蔵元豊祝」を奈良、大和西大寺、なんば、天王寺に展開し、直接日本酒を楽しめる場を提供している。
奈良豊澤酒造は明治元年(1868年)、初代豊澤儀助が奈良の地で酒類卸売業として創業したのが始まりである。創業初期は酒類卸売業を主業としていたが、やがて灘、伏見、奈良の各地で酒造りを展開するようになった。現在の奈良市今市町の地に移転したのは昭和初期のことである。代表銘柄「豊祝」の名前は『稲実り国も豊かな祝い酒』という詩から命名された。また創業者の名前を冠した「儀助」ブランドも展開し、こちらは少量生産で特にこだわった酒造りを行っている。2018年には創業150周年を迎え、長きにわたる武大和の酒造りの伝統を継承している。初代から現在まで、機械化を最低限に抑えた手造りに徹した丁寧な酒造りを続け、現在では全生産量の80%以上を純米酒以上の特定名称酒で占める品質本位の酒蔵として知られる。また立ち飲み処「蔵元豊祝」を関西各地に展開し、日本酒の普及と文化発信にも積極的に取り組んでいる。
奈良豊澤酒造では10月・11月・2月・3月の限定で蔵見学を実施している(12月、1月は見学不可)。見学時間は10時30分からと15時30分からの2回で、完全予約制(1人から40人まで)。見学料は500円(お土産付)。見学内容は酒造りの歴史や文化、製造工程などの説明30分間ほど行い、その後蔵見学で蒸米を触っていただくなど手造りの蔵ならではの体験ができる。立ち飲み処「蔵元豊祝」は奈良近鉄ビルB1、大和西大寺駅コンコース、なんば、天王寺MIOにあり、気軽に日本酒を楽しむことができる。熱燗したつまみもあり、日本酒とのペアリングを楽しめる。
奈良豊澤酒造の代表商品である大吟醸豊祝は、全国新酒鑑評会で通算16回の金賞を受賞しており(2023年時点)、その高い品質と技術力が全国的に評価されている。また現代の名工に選ばれた杜氏が手作りで仕上げる日本酒として、伝統的な酒造りの技術と現代的な品質管理の両立が高く評価されている。創業150年の歴史と伝統を継承しながら、全生産量の80%以上を特定名称酒で占める品質本位の酒造りは、奈良の日本酒業界でも特に注目される存在として評価され続けている。また立ち飲み処の展開を通じて日本酒文化の普及にも貢献している。
〒630-8444 奈良県奈良市今市町405