大正13年(1924年)創業。奈良県五條市今井、金剛山の麓に位置する酒蔵。金剛山系の地下水と自家井戸の水を使用し、伝統的な但馬流の技法で少量ずつ丁寧に酒造りを行う。主力銘柄「五神」は地元で圧倒的な支持を得ている。
五條酒造は大正13年(1924年)、初代・中本藤博氏により五條市今井の地に創業された。吉野山中で鉱脈を発見した中本氏は、その資本を元に酒造業を始めた。蔵は金剛山の麓に位置し、冬季には金剛山からの北風が吹き下ろし、豊富な地下水に恵まれるという酒造りに最適な自然環境を活かしている。創業以来、伝統的な但馬流の技法を守り、手造りによる少量生産で芳醇な酒を醸してきた。銘柄「五神」は、神事で神に捧げる酒の伝統を表す「神」と、五條の「五」を組み合わせた名称で、創業時から使用されている。現在は4代目・中本英二氏が品質第一主義を貫き、「五條市内で五神を置いていない店はない」と言われるほど地元に根付いた酒造りを続けている。奈良県産の露葉風や無化学肥料栽培の契約栽培米を使用し、氷温から常温まで酒質に応じた熟成管理を行うなど、原料から熟成まで一貫したこだわりを持つ。