1868年(明治元年)創業、150年以上の歴史を持つ奈良県宇陀市の酒蔵。織田家の城下町として栄えた大和の国宇陀で稲戸屋源三郎が酒造りを始めた。海抜330メートルの宇陀高原の良水と澄んだ大気、良質な米を厳選し、寒冷地ならではの酒造りを展開。代表銘柄「千代の松」は百余年の歴史を持つ。杜氏でもある芳村社長が『商売の域を超えたユニークなお酒造り』を実践し、500年前の興福寺『多聞院日記』に記載のある僧坊酒の再現や、イタリア米を使った日本酒など、歴史的文献を基にした実験的な酒造りでも知られる。重要伝統的建造物保存地区に選定された歴史ある街並みに蔵を構える。
芳村酒造は1868年(明治元年)、織田家の城下町として栄えた大和の国宇陀で稲戸屋源三郎が酒造りを始めて創業した。明治初期に酒造免許を取得してから現在まで5代続く酒蔵で、それ以前はこの松山地区で油屋を営んでいた。油屋を起源とすれば15代目となり、その歴史は江戸初期の松山藩時代まで遡る。海抜330メートルに位置する宇陀の地で、豊かな高原の良水と澄みきった大気、山田錦をはじめとする良質の米を厳選し、寒冷地ならではの酒造りに最適な恵まれた気候風土を活かして150年以上にわたって酒造りを続けている。現在の社長兼杜氏である芳村隆博氏は『私にとって、酒造りは趣味』と語り、商売の域を超えたユニークなお酒造りを実践。500年前の興福寺『多聞院日記』に記載のある僧坊酒の作り方を再現した『神仏習合の酒』や、イタリア米を使用した日本酒『千代の松 イタリア』など、歴史的文献を基にした実験的で面白い酒造りを追求している。蔵は重要伝統的建造物の保存地区に選定されている歴史を感じる街並みに位置し、古い歴史と新しい挑戦が共存する酒蔵として注目されている。
芳村酒造では蔵見学を実施しており、見学内容は蔵見学→試飲→土産販売の流れで行われる。開館時間は10時00分から15時00分まで、年末年始は休館となっている。見学料は無料だが、事前の電話予約が必要。駐車場は約10台分あるが大型バスは不可。見学の申し込みは事前に問い合わせフォームから申し込む必要がある(日本語対応のみ)。重要伝統的建造物保存地区に選定された歴史ある街並みに位置し、宇陀の歴史的な環境と共に酒造見学を楽しむことができる。近くには室生寺などの観光地もあり、宇陀観光と合わせて訪れる観光客も多い。
芳村酒造は150年以上の歴史を持つ老舗酒蔵として、伝統的な酒造りの技術を継承しながら革新的な取り組みでも評価されている。特に杜氏でもある芳村社長が手がける実験的な酒造りは業界内で注目を集めており、500年前の興福寺『多聞院日記』に記載のある僧坊酒を再現した『神仏習合の酒』や、精米歩合95%で昔の文献を頼りに仕込んだ日本酒など、歴史的価値の高い酒造りで学術的にも評価されている。『面白い酒をつくり続けたい』という杜氏の想いから生まれる限定品は、どれも大量生産できない貴重な商品として日本酒愛好家から高い評価を得ている。また重要伝統的建造物保存地区という歴史的環境で酒造りを続ける蔵として、文化的価値も認められている。
〒633-2163 奈良県宇陀市大宇陀万六1797