明治6年(1873年)創業。奈良県御所市櫛羅で、葛城山の麓にて豊富な地下水を活かした酒造りを行う。「飲み飽きしない美味しすぎないお酒」を目指し、地元の風土を大切にした酒造りが特徴。代表銘柄は「篠峯」と「櫛羅」。
明治6年(1873年)、奈良県御所市櫛羅の地で創業した千代酒造は、当初「千代」という銘柄を少量生産していた。転機となったのは1990年代、蔵元の堺哲也氏が山梨のワイナリーでの経験を活かし、テロワールの概念を日本酒造りに導入したことである。1995年に地元の地名を冠した「櫛羅」を、2000年には葛城山の別称である「篠峯」をリリース。「櫛羅」は自社栽培の山田錦のみを使用し、櫛羅の地で育った米を櫛羅の水で醸すという徹底したテロワール思想を体現。「篠峯」は多様な酒米を用いて季節感と味わいの多様性を追求する。千代酒造は奈良県内で唯一9年連続を含む計16回の全国新酒鑑評会金賞を受賞した実績を持つが、2014年以降は出品を取りやめ、独自の酒質追求に専念している。