松山酒造は山形県酒田市の松嶺地区にある1829年創業の小さな酒蔵です。鳥海山の伏流水を使用し、「口の中でまるくひろがり、ノド越しのキレのよい酒」を目指して、3人体制で手造りの酒造りを続けています。
松山酒造は1829年(文政12年)、庄内平野の東端、松山城の城下町として栄えた松嶺地区に創業しました。背後に外山(標高200m)を擁し、最上川が流れる豊かな自然環境の中、出羽富士とも呼ばれる鳥海山(標高2,236m)の地下水脈から汲み上げる軟水を仕込み水として使用。この軟水は口の中でふわっと広がりスッと消えていく特性を持ち、柔らかくもキレのある酒質を生み出しています。1994年まで「天杯富士」として親しまれた代表銘柄は、1995年より庄内地方の人々に愛される鳥海山にちなんで「松嶺の富士」に改名されました。現在は7代目が継承し、酒田酒造の佐藤正一社長が杜氏として全体を統括する3人体制の小規模蔵として、年間約200石という少量生産を維持。画家・佐藤光樹氏のアートワークをラベルに採用した「ひめごと」シリーズなど、伝統を守りながら新たな挑戦も続け、地元に愛される手造りの酒を醸し続けています。