1650年創業、370年以上の歴史を持つ福島県双葉町発祥の蔵元。東日本大震災の原発事故により避難を余儀なくされ、現在はアメリカ・ワシントン州ウッディンビルで酒造りを続けている。21代目の冨沢守氏と真理氏が、救出した酵母「白冨士」を使い、全工程手作業の伝統的製法で日本酒を醸造。シアトルの気候を活かした酒造りで、日本文化を世界に発信している。
1650年創業、日本で370年以上続いた老舗蔵元。2011年3月の福島第一原発事故により、蔵が原発から3.5kmの帰還困難区域に位置していたため避難を余儀なくされた。21代目杜氏の冨沢守氏は命がけで蔵に戻り、先祖代々受け継いできた酵母「白冨士」を救出。日本各地で再開場所を探したが見つからず、2012年に真理氏がシアトルを訪問した際、東北の冬に似た気温と豊かな自然環境に着目。パイオニアスクエアが仙台を思い起こさせ、鮭が遡上する川の風景が故郷・双葉の酒造り開始の合図だった光景と重なり、移転を決意。クラウドファンディングで226万6548円を調達し、ワイナリーが130軒以上集まるウッディンビルに新蔵を建設。2015年秋に初仕込みを行い、12年ぶりに酒造りを再開。現在も双葉町の酒造免許を保持しながら、「日本で300年続いた白冨士が、アメリカでも300年続くように」という願いを込めて、伝統の手造りを守り続けている。
ワシントン州ウッディンビルにある醸造所とテイスティングルームで見学・試飲が可能。金曜日3:00-6:00PM、土日2:00-6:00PMの営業時間内での訪問や、冬季には醸造所ツアーも実施。6席のバーカウンターとテーブル席のある小さなテイスティングルームで、本醸造・純米・にごりなど3種類の試飲フライトを楽しめる。予約推奨だが、回転も良いため当日訪問も可能。
業界専門家からの高い評価を受けており、酒業界の権威ジョン・ガントナー氏が運営するSake Industry Newsで福島からワシントン州への移転ストーリーが特集された。21代目杜氏による繊細で爽やかな日本酒は、現地の気候により微かなシャルドネのような風味も感じられ、300年続く家業の再生として業界で注目を集めている。
18800 142nd Ave NE Unit#1A, Woodinville, WA 98072, USA