京都府福知山市の上六人部に位置する東和酒造は、現在福知山唯一の酒蔵。享保2年(1717年)に初代今川新六が京街道の伊久郷近くで茶屋を経営し、のちに酒や醤油の製造を始めた」年以上の歴史を持つ老舗。昭和52年(1977年)に一度酒造りを休止したが、2011年に現杜氏である10代目の長女今川純が酒造りを復活。「六閑の酒で人を幸せにしたい」という想いで、地元の米、水、空気、人で造る代表銘柄「六閑」を製造。
享保2年(1717年)に初代今川新六が京街道の伊久郷近くで茶屋を経営し、やがて酒や醤油の製造を始めた《00年以上の歴史を持つ今川酒造場として運営してきた。しかし昭和52年(1977年)、井戸水の水量不足で酒造りを休止せざるを得なくなり、その後33年間は委託醸造で運営してきた。そして2011年、現杜氏である10代目の長女今川純が酒造りを再開。純は2008年から製造に参加し、各地で修行や研究を積んで2011年から自家醸造を再開した。現在は11代目女性杜氏今川純と、長野の蔵元出身の夫飯田春美、そして少数精鋭のチームで伝統的な酒造りを続けている。
福知山唯一の酒蔵として地元の観光資源としても注目されており、女性杜氏の手造り酒造りを観光資源としてアピールしている。小仕込みにこだわり、一度に500kg以下の米のみを使用した手造りの酒造りを実践。伝統的な木船での槨りを行い、すべての日本酒は瓶詰め後に個別管理で貯蔵し熟成させている。「上六人部 日本酒づくり」のような地元のコミュニティと連携した取り組みも行っており、地域密着型の酒蔵として注目されている。
2011年の酒造り復活から10年を経て、「福知山にも美味しい地酒がある」と言われるまでにブランディングが確立し、認知度も高まっている。特に女性杜氏が手がける代表銘柄「六閑」は、人間の五感に酒を飲む喜びを加えた六感、また六部の地での歓びという意味を込め、地元の米、水、空気、人のみで作られたオリジナルブランドとして高い評価を得ている。また小仕込みによる多品種少量生産で個性的な酒造りを実現し、伝統的な木船槨りや瓶詰め後の熟成管理など、丁寧な酒造りが業界内でも評価されている。
〒620-0000 京都府福知山市上野115