1912年創業の奈良県吉野郡吉野町に位置する酒蔵。吉野の清冽な水と風土を活かし、「酸と旨みが響きあう酒造り」をコンセプトに、伝統的な醸造技術と革新的な手法を融合させた酒造りを行う。2017年からすべての酒を酵母無添加で醸造し、2018年からは契約栽培米のみを使用するなど、自然派の酒造りを徹底追求。代表銘柄「花巴」は山廃仕込み、水もと仕込み、速醸仕込みなど多様な製法で醸造され、その野性的で個性的な味わいで注目を集めている。
美吉野醸造は1912年(明治45年)、奈良県吉野郡吉野町六田において創業した。吉野は古来より清酒造りに適した清冽な水に恵まれた土地として知られ、特に六田地区は良質の地下水が豊富に湧出することで有名である。創業以来、この恵まれた自然環境を活かした酒造りを継続してきた。現在の蔵元は、伝統的な醸造技術を大切にしながらも、時代に応じた革新的な取り組みを積極的に導入している。2017年には全ての酒を酵母無添加で醸造することを決定し、翌2018年には使用する米をすべて契約栽培米に切り替えるなど、自然派酒造りの先駆者として業界からも注目されている。代表銘柄「花巴」は、山廃仕込み、水もと仕込み、速醸仕込みといった多様な製法で醸造され、それぞれ異なる個性を持つ酒を生み出している。特に水もと仕込みは室町時代から続く古典的な製法で、現在ではごく少数の蔵でしか行われていない貴重な技術である。
美吉野醸造では予約制の蔵見学を実施しており、吉野の風土と共にある花巴の味わいを直接体験できる。蔵に併設された直売所では9時から17時まで営業し、16時30分まで試飲が可能。常時10種類以上の花巴シリーズを試飲でき、蔵でしか味わえない限定酒も用意されている。近鉄吉野線六田駅から徒歩10分という好立地で、吉野観光と合わせて訪れる観光客も多い。
美吉野醸造の花巴は、その独特の酸味と旨味の調和が評価され、酒類専門誌や漫画でも頻繁に紹介される人気銘柄となっている。特に水もと仕込みの花巴は、室町時代からの伝統製法で醸造される希少な酒として、日本酒愛好家から高く評価されている。酵母無添加、契約栽培米100%使用という自然派の酒造りは業界でも先進的な取り組みとして注目され、多くの酒造関係者が視察に訪れている。
〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町六田1238番地1