明治元年(1868年)、茶の研究と海外輸出に携わっていた井手與四太郎氏が、嬉野川の清流を利用して酒造業を開始し、井手酒造を創業しました。與四太郎氏は「虎はわが児を思う情けが深い。その虎児のようにいつまでも情けをもって可愛がられたい。そして千里を走る虎のようにその名が遠く響き渡りたい」という願いを込めて、造る酒を「虎之児」と名付けました。嬉野温泉の中心地に位置する蔵は、日本でも珍しく母屋の地下に天然温泉が湧き出る特異な環境にあります。大正時代には、放浪の俳人・種田山頭火が嬉野を訪れ、日記に「たらふく飲んだ『虎之児』よろしい」と記し、その足跡は現在も蔵の店先にある記念碑に刻まれています。創業以来150年以上、一度も途切れることなく伝統の酒造りを続け、山口流派の杜氏による長期低温発酵技術を受け継いできました。平成の時代には、小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の性能計算書表紙に虎之児のラベルが採用されるという栄誉に浴しました。これはJAXAが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という諺を体現する探査機の精神と、虎之児の名前が持つ意味を重ね合わせたものでした。現在も地元嬉野の茶農家である蔵人たちが、日本三大美肌の湯として知られる嬉野温泉の恵みを受けながら、伝統の技と情熱を注いで酒造りを続けています。
井出酒造は嬉野温泉の中心地に位置し、日本でも珍しく母屋の地下に天然温泉が湧き出る特異な環境にあります。嬉野温泉唯一の地酒蔵として、日本三大美肌の湯で知られる嬉野温泉と合わせて酒蔵見学や試飲を楽しむことができます。種田山頭火が『たらふく飲んだ『虎之児』よろしい』と日記に記したことからもわかるように、文人や旅人にも愛された酒蔵としての歴史を持ち、現在もその記念碑が蔵の店先に残されています。
井出酒造の代表銘柄『虎之児』は、長年にわたり各鑑評会で幾度も金賞を受賞しています。特に2020年には酒類鑑評会純米の部で大賞を受賞し、さらに小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の性能計算書表紙に虎之児のラベルが採用されるという栄誉に浴しました。これはJAXAが『虎穴に入らずんば虎子を得ず』という諦を体現する探査機の精神と、虎之児の名前が持つ意味を重ね合わせたものでした。山口流派の杜氏による長期低温発酵技術は體美な吟醸酒を生み出し、その品質の高さは業界内外から高く評価されています。
〒840-1105 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙806番地1