1719年(享保4年)創業、300年以上の歴史を持つ奈良県御所市の酒蔵。元は菜種油製造業「油屋長兵衛」として創業し、後に酒造業へ転換。現在は13代目山本長兵衛が当主を務める。1998年に立ち上げた「風の森」ブランドは、無濾過無加水生原酒にこだわった革新的な酒造りで全国的に注目を集める。「100年先に美しい日本を伝える」を理念に、伝統的な醸造技術と最新技術を融合させた酒造りを展開。2024年には新たに葛城山麓醸造所「山麓蔵」を開設し、さらなる革新に挑戦している。
油長酒造は享保4年(1719年)、御所の地で菜種油製造業「油屋長兵衛」として創業した。慶長年間(1596-1614年)より大和平野の菜種を使った油搾り業を営んでおり、「油屋」の名前はここに由来する。その後酒造業に転換し、300年以上にわたって奈良の地酒を醸し続けている。現在の当主は13代目山本長兵衛で、2008年に家業を継承し、2019年の創業300周年に合わせて伝統的な「長兵衛」の名を襲名した。1998年には「風の森」ブランドを立ち上げ、当初はわずか6店舗の特約店からスタート。無濾過無加水生原酒にこだわった革新的な酒造りで全国的な評価を獲得し、現在では奈良を代表する銘柄として知られる。また650年以上前の奈良酒を再現する「水端」プロジェクトなど、歴史的醸造法の研究にも積極的に取り組んでいる。
油長酒造は観光蔵ではないため通常の見学は受け付けていないが、2025年7月からは宿泊者限定で第1月曜日と木曜日に特別な蔵見学プランを開始予定。JR御所駅から徒歩約6分、近鉄御所駅から徒歩約8分とアクセスは良好。蔵に併設されたフランス料理店もあり、料理と共に風の森を楽しむことができる。また2024年に新設された葛城山麓醸造所「山麓蔵」では、棚田の中にある景色を楽しみながらの新しい体験も計画されている。御所まちの歴史的な街並みと合わせて楽しめる立地にある。
風の森は1998年の発売以来、その独創的な無濾過無加水生原酒の製法で日本酒業界に大きな影響を与え、全国的に高い評価を獲得している。特に若い世代の日本酒愛好家から絶大な支持を受け、日本酒ブームの牽引役として注目されている。創業300年を超える歴史と革新的な酒造りの両立が評価され、多くの酒類専門誌やメディアで特集が組まれている。また650年以上前の奈良酒を再現する「水端」プロジェクトは、日本酒の歴史研究においても学術的価値が高く評価されており、日本酒文化の継承と発展に大きく貢献している酒蔵として業界内外から注目されている。
〒639-2223 奈良県御所市本町1160