島根県南西部の山間に抱かれた吉賀町唯一の酒蔵、下森酒造場。中国山地の清らかな伏流水を仕込み水に用い、地域に根差した伝統的な酒造りを守り続けています。生産規模は小さいながらも、その丁寧な仕事ぶりは、地元で長年愛される銘柄「鶴亀正宗」に表れています。長寿と吉祥を象徴する名を冠したこの酒は、まさに地域の祝いの席に欠かせない存在。流通量が限られているため、その味わいは訪れた者だけが楽しめる、まさに「地酒」の真髄。豊かな自然の恵みと、蔵の温かみが溶け込んだような、素朴で心に染みる一杯を醸しています。
創業年は不詳ながら、長年にわたり島根県鹿足郡吉賀町で唯一の酒蔵として、地域の酒文化を支えてきた歴史を持ちます。人口約6,000人の町で、地元の人々の暮らしや祝い事に寄り添う酒を醸し続けてきました。その代表銘柄「鶴亀正宗」は、縁起の良い名で親しまれ、地域のハレの日の食卓を彩ってきました。大規模な生産や流通は行わず、伝統的な製法と小規模生産を堅持。時代の潮流に流されることなく、吉賀町の風土が育んだ米と水で、実直な酒造りを続けるその姿勢は、地域にとってかけがえのない宝となっています。