島根県邑南町の山間に位置する加茂福酒造は、「逆転発想」を掲げる個性派の酒蔵です。多くの酒蔵が淡麗辛口を追求する中、あえて米の旨味を最大限に引き出した濃醸甘口の酒造りにこだわります。代表銘柄「死神」は、その哲学を象徴する一本。年間生産量200石という少量生産ながら、地元産の米と中国山地の軟水を用い、島根大学と共同開発した独自の「HA11酵母」で醸すなど、伝統と革新が共存しています。一度飲んだら忘れられない、強烈なインパクトと深い味わいで、多くの日本酒ファンを魅了しています。
1922年(大正11年)、地元の加茂神社の御神酒を醸す酒蔵として創業。長らく杵氏による酒造りを行ってきましたが、1995年に大きな転換点を迎えます。現当主の吉賀謙一郎氏が自ら蔵元杵氏となり、品質管理と独自性の追求を徹底。この変革により、生産量は少なくても、他に類を見ない個性的な酒を生み出す現在のスタイルが確立されました。近年では、島根大学との産学連携で独自の酵母「HA11」を開発するなど、伝統的な製法に科学的なアプローチを取り入れ、常に新しい酒の可能性を追求し続けています。
営業時間は8:00~19:00で、定休日は土・日曜日です。白壁と赤瓦の美しい建物に入ると、大きな杉玉と数多くの賞状が目を引き、店の奥には伝統的な酒造道具や様々なお酒が展示されています。見学については事前にお電話でご相談いただくことをお勧めします。自然豊かな邑南町の「A級グルメのまち」としての魅力と併せて、日本酒の奥深い世界を体験できる酒蔵です。駐車場も完備されており、山間の静かな環境でゆっくりと日本酒文化に触れることができます。
年間生産量200石という小規模ながら、他に類を見ない「逆転発想」の酒造りで注目されています。代表銘柄「死神」は、軽麗进口ブームに反旗を翳した濃醷甘旨口の純米酒として話題となり、島根大学との共同開発で生まれた独自のHA11酵母を使用した革新的な酒造りで高い評価を得ています。
〒696-0102 島根県邑智郡邑南町中野2405