山廃仕込みという伝統的な手法を忠実に続ける酒蔵。機械化ではなく手造りにこだわり、特に麹づくりを大切にしている。日常的に楽しめる、スッキリとした飲みやすいお酒を提供。「飲む人の顔を思い浮かべながら」醸造することを目標としている。
1865年(元治2年)、江戸末期に佐藤東兵衛により名古屋市守山区の善光寺街道筋に創業。名古屋城の櫓建造用の材木を譲り受けて酒蔵を建造したという由緒ある建物は、歴史的価値を持つ。初期は「龍田屋」の屋号で営業し、後に「東龍」ブランドを確立。山廃仕込みという伝統的な酒母造りを堅持し、機械化に頼らない手造りにこだわる。特に麹造りでは、総破精型と突破精型の2つの麹室を使い分ける独自の製法を採用。2005年より安藤正之杜氏が29歳の若さで就任し、伝統技術を継承しながら、ワイングラスでおいしい日本酒アワードでの受賞など、新たな挑戦も続けている。年間約3,000石の生産量で、愛知県内を中心に地域に愛される酒を醸造。「飲む人の顔を思い浮かべながら」という理念のもと、日常的に楽しめるスッキリとした飲みやすい酒質を追求している。