寛正3年(1462年)創業、日本で現存する酒蔵では2番目に古い560年以上の歴史を持つ蔵元。現在は自社醸造から他蔵の酒を買い付けてブレンドするボトラーズブランド方式に移行。代表銘柄『富士泉』を守り続けている。
寛正3年(1462年)、初代が京都から石岡の地に移り酒蔵を構えた藤田酒造店は、日本で現存する酒蔵としては2番目に古い560年以上の歴史を刻む。江戸時代には水戸黄門こと水戸光圀公がこの地を訪れ、藤田酒造店の活動を褒賞したという記録が残る。昭和8年(1933年)には27代目藤田英が、ハワイのホノルル酒造所で日本酒の四季醸造技術確立プロジェクトの責任者として派遣され、常夏のハワイでの通年醸造を成功させた。これは当時としては画期的な技術革新であった。現在は28代目藤田悟氏が守るが、高齢化と後継者不在の中、自社醸造から他蔵の酒を買い付けてブレンドするボトラーズブランド方式に移行。『富士泉』の名を守りながら、石岡の地で酒文化を伝え続けている。地域・社会への貢献を大切にし、560年以上の歴史を背負いながら新たな形で日本酒文化の継承を模索している。